須磨寺で和菓子屋を10年切り盛りしてみて

ここに書いていくことは、神戸天ペロの店舗やお菓子のこと、地域のこと、経営のこと等々です。

2007年の開業から10年。

天ペロは、チラシやパンフレットを作ったことも、お客様にセールスのメールを送ったことも一度もありませんでした。

「美味ければ売れる!」 

「売れれば生き残る!」

それだけでいいと考えていたからです。

どれだけ魅力的にストーリーを語ったとて嘘はバレる。

極められていない物は淘汰される。

美味くて安全なものを懸命に作ることが何よりも重要で

他のことはやってはいけない。

大将がSNSに一生懸命な寿司屋に、あまり行きたいとは思わない。

スマホをいじった手で寿司を握っているなんてなんとなく気持ち悪いじゃないですか。

饅頭屋も同じ。お客様の夢を壊したらあかん。

そのように信じていたのと、
もっと正直言うと書くネタもそんなにありません。

なので、今までネットでの発信やSNSには手をつけてきませんでした。

しかし、10年も経営をしていると、

「とにかく自社が生き残る」

「味が全てだ」

という、ある意味ギスギスした考え方も、かなり変化してきます。

企業の10年生存率は6%と言われており、

その6%も相当気合が入っているか、キレ味が鋭いかです。

つまり、10年でほとんど潰れるというのが現実です。

だから最初は「自社が生き残る」ために必死のパッチになるのが当たり前です。

金を稼がなければいけません。

きれいごとを言っていては家族が飢えます。

開業して、いきなり世界平和やみんなの笑顔のためなどと言っている人は、逆に「ほんまか?」と疑ってしまいます。

しかし、

10年もなんとか生きながらえて商売をしてくると、心のどこかに「報いたい」という純粋な思いが生じてくるのもこれまた事実のようです。

ポンコツ一匹の我が努力などたかが知れています。必ず周囲に支えられています。

そして開業当初は一切まったく興味がなかった「地域」というものへの愛着です。

まさか自分がこんなに須磨寺地域に密着した人間になるとは思ってもいませんでした。

この須磨寺地域の魅力ということを考えた時、「発信するべし」との結論になったのでした。

「今から10年間何もしなかったら、この門前町も単なる住宅地になるで」

そう言われたのが数年前。

その通りだと思いました。

が、何もせず、もう何年か経ちました。

少し遅かったのかもしれませんが、須磨寺前の商店主たちもたびたび集うようになり、雰囲気も変わってきました。真剣なので、バトルにもなりますが、それも何かの過程でしょう笑。

今かなり楽しいです。

今がダメでも、未来に光がありそうだとワクワクするじゃないですか。

須磨寺さん本体も活発に動かれており、袈裟を着た僧侶がここまで降りてくることも今まであまりなかったのですが、最近はお話をする機会も増えてきました。

あまり世俗に降りてこられては寺院の神通力も損なわれるでしょう。寺院は寺院としての本懐を遂げることができるよう、私たち須磨寺商人が地域活性化に取り組まなければなりません。

何かが変わろうとしています。

これは伝えたい・・・!そう思いました。

そして経営のこと。

私には経営ノウハウなどまったくありませんでした。

だからこそ「美味ければ売れる」「売れれば生き残る」というシンプルな考えをお題目にしたとも言えます。

資金繰りのみやっているわけですから、「どんぶり勘定」すらありません。どんぶり勘定がうまい人はリスペクトします。

経営者は、一部の天才を除いて勉強することが必須です。

経営の話も、反面教師としてでも、結局は誰かの役に立てば、特に地方で奮闘している誰かの肥やしになれば、これほど嬉しいことはないという思いです。

今私は42歳。

社会を牽引する責任世代のど真ん中です。

ぐだぐだピーピー言っていられない!

私たちの頑張りが後の世を作るという思いで、皆さまの日々の喜びや幸せのお供となれるよう、美味しいお菓子作りと、言葉作りに、日々精進していきます。

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